星の王子さま

Antoine de Saint-Exupéry

アントワンヌ  サンテグジュペリ(ちょ)

原作「Le Petit Prince

鈴木(すずき)しずか (やく)朗読(ろうどく)編集版(へんしゅうばん)


 

一  (じょ)

(ぼく)は、ずっと(ひと)りぼっちだった。

心からわかりあって話をできる人がいなかったから。

サハラ砂漠(さばく)での事故(じこ)()うまでは。

それは、今から六年前のことだった。

飛行機(ひこうき)のエンジンの何かが(こわ)れたのだ。

整備士(せいびし)も乗客もいなかったので、ひとりで(むずか)しい修理(しゅうり)をすることになった。

生きるか死ぬかの問題だった。

飲み水は一週間()つだろうか?

 

 

二  出会い

最初(さいしょ)の夜、人里(ひとざと)から何百キロも(はな)れた(すな)の上で(ねむ)りについた。とても心細(こころぼそ)かった。船が難破(なんぱ)して、いかだの上で大海原(おおうなばら)の真っただ中を(ただよ)っている人でもこれほど孤独(こどく)ではなかっただろう。だから、夜明けに不思議(ふしぎ)な声で起こされた時、(ぼく)がどんなに(おどろ)いたかおわかりだろう。

「おねがい、羊の絵を()いて……」

「えっ!」

「羊の絵を()いて……」

(ぼく)(かみなり)に打たれたように()び起きた。目をこすって、よーく見てみた。すると、今まで見たこともない雰囲気(ふんいき)の小さな男の子が思いつめた様子で(ぼく)をじっと見つめていた。道に(まよ)っている様子もなく、お(なか)がすいている様子も、(つか)れている様子も、のどが(かわ)いている様子も、(こわ)がっている様子もない。人里から何百キロも(はな)れた砂漠(さばく)の真ん中で迷子(まいご)になった子どもとはどう見ても思えない。

「いったい、ここでなにしてるの?」

「おねがい……羊の絵を()いて……」

(しん)じられないことに出会うと、(ことわ)れなくなるらしい。バカげていると思いながら、ポケットから一(まい)(かみ)(まん)(ねん)(ひつ)を出して、絵を()いた。

「ダメ! これは、病気にかかっているよ、他のを()いて……」

(ぼく)()きなおした。

「こんなんじゃないよ、これは()羊だよ。ほら、角があるでしょ」

(ぼく)は、また、()いた。

「これは、もうヨボヨボだよ。ぼく、長生きする羊がほしいんだ」

早くエンジンを解体(かいたい)しなきゃいけないというのに……それで、急いで箱を()いて、三つの空気(くうき)(あな)を加えて、(わた)した。

「これは、箱だ、君の羊は中にいるよ」

「これだよ、こんなのがほしかったんだ。ねぇ、この羊、草をたくさん食べると思う?」

「どうして?」

「だって、ぼくのとこ、すごーく小さいんだ」

「きっと、大丈夫(だいじょうぶ)だよ。とっても小さい羊をあげたからね」

「そんなに小さくないよ……あれ、羊、()ちゃった」

こうして、(ぼく)は小さな王子さまと出会ったのだった。

 

三  王子さまはどこから?

王子さまがどこから来たのかがわかるには、時間がかかった。(ぼく)質問(しつもん)をたくさんする王子さまは、(ぼく)質問(しつもん)には全く耳をかさない。たまたま口をついて出た言葉から少しずつわかってきたのだ。たとえば、(ぼく)飛行機(ひこうき)(はじ)めて見た時、

「そこに()いてある物はなあに?」

「これはただの物じゃない、空を()ぶんだ。飛行機(ひこうき)だ。(ぼく)飛行機(ひこうき)だよ」

「えぇ! 空から落ちてきたの?」

「そう」

「あぁ、そりゃ面白いや。じゃあ、おにいさんも空から来たの? どの星から?」

「それじゃ、君はどこかほかの星から来たってこと?」

「そうだよね。これじゃ、そんなに遠くから来られやしないね……」

「でも、君はどこから来たの? ねぇぼうや、『ぼくのとこ』ってどこ? (ぼく)の羊をどこへ()れて行くつもり?」

「よかった、箱をくれたんで。夜には、羊の小屋になるから」

「そうだね。大事にするなら、昼間、つないでおく(つな)をあげるよ。それと、それをくくりつける長い(ぼう)も」

「つなぐって? なんで、そんな(へん)なこと考えるの!」

「でも、つないでおかないと、どこかに行っちゃって、いなくなっちゃうだろ」

「でも、どこへ行くっていうの?」

「どこへでも、まっすぐ前にとか……」

大丈夫(だいじょうぶ)、とっても小さいんだから、ぼくのとこ。まっすぐ行っても、そんなに遠くには行けやしないんだ……」

こうして、大事なことがもうひとつわかった。王子さまの星は、やっと一軒(いっけん)の家くらいの大きさしかないということが。

 

 

四  夕日

あぁ、小さな王子さま、そのメランコリックな()らしぶりが少しずつわかってきた。長い間、心が晴れるのは、しずかな夕日を見る時だけだったんだね。

「夕日が大()きなんだ。お日様がしずむのを見に行こう」

「でも、待たなきゃ……」

「待つって、なにを?」

「日がしずむのを」

「ぼく、また、自分のとこにいると思っちゃった」

たしかに、アメリカで正午(しょうご)の時、太陽は、みんなも知っての通り、フランスでしずんでいく。アメリカから一分でフランスまで行くことができれば、夕日を見ることができる。でも、あいにく、フランスはあまりにも(はな)れている。だけど、王子さまの星では、(すわ)っている椅子(いす)ごと二、三歩動くだけでいいのだ。見たい時にいつでも夕日を(なが)めることができるのだ。

「ぼくね、ある日、四十三回も日がしずむのを見たんだ! ねぇ、とっても悲しい時には夕日を見たくなるよね……」

「じゃあ、四十三回見た日は、そんなに悲しかったのかい?」

 

 

五  トゲ

五日目、(ぼく)(かた)()まりすぎているボルトを(ゆる)めようと、必死(ひっし)だった。飛行機(ひこうき)故障(こしょう)はかなり深刻(しんこく)に思えてきて、気が気ではなかった。それに飲み水もなくなりかけて、最悪(さいあく)事態(じたい)を心配していた。

「羊は、草を食べるの?」

「そうだ」

「花も食べる?」

「羊は、目の前にあるものを何でも食べるさ」

「トゲのある花でも?」

「トゲのある花もだ」

「じゃあ、トゲは、なんの役に立つの? ねぇ、トゲはなんの役に立つの?」

「トゲは、なんの役にも立ちゃしない。たぶん、意地(いじわる)な花にはついているのだろう」

「あぁ…そんなこと(しん)じない! 花は、か弱いんだ。無邪気(むじゃき)なんだ。なんとかして、安心したいんだ。トゲがあるから、大丈夫(だいじょうぶ)だと思っているんだ。それなのに、トゲは、役に立たないって言うの? 花は……」

「いいや、なんにも思っちゃいない! いいかげんに答えただけだ。(ぼく)は、大事なことをしてるんだ!」

「大事なことだって?」

「そうだ」

「大人みたいなことを言うんだね! なんでもごちゃまぜにしてるよ……いっしょくたにしてるんだ! ぼくはまっかな顔のおじさんのいる星を知っている。その人は、花の(かお)りをかいだこともない。星を(なが)めたこともない。人を()きになったこともない。足し算のほかは何もしたことがない。そして、一日中、()り返しているんだ、『大事なことで(いそが)しい、大事なことで(いそが)しい』って。そして、ふんぞりかえっていたんだ。でも、それは、人じゃないんだ。キノコなんだ!」

「エッ、なんだって?」

「キノコだ! 何百万年も前から花はトゲをもっている。それでも羊は何百万年も前からトゲのある花を食べる。だったら、どうして花が役にも立たたないトゲをわざわざ作っているのかを知ることが大事じゃないの? 羊と花の(たたか)いは大事じゃないの? それよりもまっかな顔のおじさんの足し算の方が大事だっていうの? ぼくに、世界でたったひとつしかない花、ぼくの星のほかにはどこにもない花があって、ある朝、小さな一匹(いっぴき)の羊が、うっかりと、その花を食べてしまうかもしれなくても、それはどうでもいいことだっていうの? 何百万、何百万とある星のうちのたったひとつの星に()いている花を()きになったら、星空を(なが)めるだけで、幸せになれる。『ぼくの花は、あのどこかにある』って思ってね。でも、もし羊がその花を食べてしまったら、まるで星という星が全部いきなり消えてしまったみたいなんだ。それが、大事じゃないっていうの!」と、突然(とつぜん)わっと()き出した。

夜になっていた。(ぼく)は道具を手放した。なにもかも、どうでもよくなった。ハンマーもボルトも、のどの(かわ)きや、死の危険(きけん)さえも。

ひとつの星、ひとつの惑星(わくせい)(ぼく)のいるこの地球に、(なぐさ)めてあげなきゃいけない王子さまがいる。(ぼく)はその王子さまを()きしめ、やさしくあやした。

「君の()きな花は、なにも心配しなくていいよ。口()()いてあげる、君の羊に……ウン……君の花には、なにか身を守るものを()いてあげる……それから……」どう言えばいいのかわからなかった。自分はなんて気が()かないんだろう。どうしたら、この子の心に届くのか、心を通わせるようになるのか、わからない。

 

 

六  花

まもなく、その花のことがどんどんわかってきた。ある日、どこからか()んできた(たね)から、()が出たのだ。王子さまは、そこからどんなすばらしい花が出てくるかと、わくわくした。でも、その花は、緑色の部屋に(かく)れたままで、なかなかおめかしをやめなかった。念入(ねんい)りに色を(えら)んで、ゆっくりとドレスを着て、はなびらを一(まい)(まい)整えた。美しさに(かがや)いて、姿(すがた)をあらわしたかったのだ。そう、とってもおしゃれだったのだ。だから、(かく)れたまま、何日も、何日も身支度(みじたく)(つづ)けた。

そうして、ようやくある朝、ちょうどお日様が(のぼ)るころに、花は姿(すがた)をあらわした。

「あぁ、いま目が()めたばかりなの……あら、ごめんなさい、まだ(かみ)がくしゃくしゃね……」

「あっ、なんてきれいなんだ!」

「でしょう。わたし、お日様と一緒(いっしょ)に生まれたんですもの。そろそろ朝ごはんの時間じゃないかしら? わたしも何かいただけるかしら?」

王子さまは、どぎまぎしながら、じょうろに水をくんできて、花に水をやった。

花はすぐに気難(きむずか)しい見栄(みえ)()って、王子さまを(なや)ませるようになった。たとえばある日、自分の四つのトゲの話をして、

「トラが来るかもしれない、ツメをたてて!」

「トラなんて、ぼくの星にはいないよ。それに、トラは草なんか食べない」

「わたしは、草じゃありませんわ!」

「あっ、ごめん」

「トラなんてこわくないわ。でも風にあたるのはごめんよ。衝立(ついたて)はありませんの? それから、夜はガラスのカバーをかけてくださらない、ここは、とっても寒いわ、居心地(いごこち)が悪いの。わたしが前にいたところは……」

花は口をつぐんだ。花は(たね)のかたちでやってきた。ほかのところなんて知るよしもない。つい無邪気(むじゃき)にうそをついてしまったのが気まずくて、花は二、三度せきをして、悪いのは王子さまの方にしようとした。

 

こうして、王子さまは、ほんとうは花を()きだったのに、花を(しん)じられなくなっていった。あまり意味のない言葉をまともに受けて、とてもみじめな気持ちになっていった。

「ぼくは、耳をかたむけてはいけなかったんだ。花の言うことなんか、聞くもんじゃないんだ。花は、ながめて、(かお)りをかぐものなんだ。あの花は、ぼくの星をいい(かお)りでいっぱいにしてくれた。ぼくを明るくしてくれた。なのに、ぼくはそれを楽しむことができなかった。ぼくは()げ出すべきじゃなかったんだ。ずるそうな言葉の(うら)にあるやさしさに気がつかなきゃいけなかった。花はほんとうにあまのじゃくなんだ! ぼくは、まだ、あまりに(おさな)くて、(あい)するってどういうことかわからなかったんだ」

 

星から出るのに、(わた)り鳥を利用(りよう)したのだと思う。王子さまは花に最後(さいご)の水やりをし、ガラスのカバーをかけようとした時、()きたくなっているのに気がついた。

「さようなら……さようなら」

「わたし、おバカさんだったわ。(ゆる)してね。幸せになってね。あなたが()きなのよ。そう、()きなの。知らなかったでしょう、わたしが悪いのね。そんなことどうでもいいわ。あなたも、わたしと同じようにバカだったのよ。幸せになってね。カバーはかけなくていいわ。もういいの」

「でも、風が()いたら……」

「ひんやりした夜風は気持ちがいいでしょう。わたし、花ですもの」

「でも、虫やほかの……」

「毛虫の一匹(いっぴき)や二(ひき)はがまんしなくちゃ、チョウチョと仲良(なかよ)くなれないわ。とってもきれいなんですってね。そうでなきゃ、(だれ)(たず)ねてくるの? あなたは、遠くへ行っちゃうし……大きな動物も(こわ)くないわ、わたしにはトゲがあるから。ぐずぐずしないで……いらいらするわ。行くって決めたんでしょ。さあ、早く行って」

花は(なみだ)を見られたくなかったのだ。

 

 

七  点灯人(てんとうにん)

王子さまは、やるべきことを見つけたり、見聞(けんぶん)を広めるために、近くの星から(おとず)れることにした。最初(さいしょ)の星には、王様が住んでいた。二番目の星には、うぬぼれやが。三番目の星には飲んだくれ。四番目の星には、まっかな顔をした足し算ばかりしているビジネスマン。

旅を(つづ)けながら、王子さまは「大人って、ほんとうに、とっても(へん)だなぁ!」とひとりつぶやいた。

 

五番目の星は、とっても()わっていた。一番小さな星だった。ひとつの街灯(がいとう)と、その街灯(がいとう)をともしたり消したりするひとりの点灯人(てんとうにん)がいるだけの広さしかなかった。

「こんにちは。どうして、今街灯(がいとう)を消したの?」

「そういう決まりなんだ。こんにちは」

「『キマリ』って何?」

街灯(がいとう)を消すことだよ。こんばんは」

「どうしてまた、つけたの?」

「そういう決まりなんだよ」

「わからないよ」

「わかることなんかないんだよ。決まりは決まりなんだ。こんにちは。ひどい仕事だよ。前は、まともだったのに……朝消して、夜につける。昼間は休めたし、夜は(ねむ)れたんだ」

「それで、いつから決まりが()わったの?」

「決まりは()わってないんだ。それが問題なんだよ。星は年々どんどん速く回っていくのに、決まりは()わらないんだ!」

「それで?」

「それで、今では一分にひとまわりするから、一秒だって休んでる(ひま)がないんだ。一分ごとにともしたり、消したりしているんだ」

「それは、おかしいね。ここでは、一日が一分なの?」

「ちっともおかしくないよ。こうして、話しているうちにもう一か月になるんだよ」

「一か月?」

「そう、三十分。だから三十日! こんばんは」

「ねぇ、ぼく、()きな時に休める方法(ほうほう)を知っているよ」

「いつだって休みたいさ」

「この星は、ほんとうに小さいから、大股(おおまた)で三歩も歩けば一周(いっしゅう)できるでしょ。ゆっくり歩くだけで、いつでもお日様の当たっているところにいられるから、休みたい時には歩けばいい。そうすれば、()きなだけお昼間が(つづ)くよ」

「それじゃ、なんにもならないよ。おいらがこの世で一番()きなのは、()ることなんだ」

「ついてないね」

「ついてないよ。こんにちは」

 

「あーあ、あのおじさんとなら、(とも)(だち)になれると思ったのに。だけど、あの星はほんとうに小さすぎて、ふたり分の場所はなかったもの……」

王子さまは、口に出さなかったが、その星を去るのを残念(ざんねん)に思ったのは、その星が二十四時間に千四百四十回もの夕日に(めぐ)まれていたからだった。

 

 

八  ヘビ

六番目の星には地理学者が住んでいて、王子さまに地球を(たず)ねるようにすすめた。評判(ひょうばん)のいい星だというのだ。

こうしたわけで、七番目の星は地球だった。

 

王子さまは(だれ)もいないのでびっくりした。星を間違(まちが)えたのかと不安(ふあん)になった。その時、(すな)の中で、月の色をした()のようなものが動いた。ヘビだ。

「こんばんは」と王子さまは、あいさつをしてみた。

「こんばんは」

「なんていう星なの、ぼくが落ちたのは?」

「地球だ。ここはアフリカだ」

「えぇ……じゃあ地球には、(だれ)もいないの?」

「ここは、砂漠(さばく)砂漠(さばく)には人はいない。地球は大きいのさ」

「ぼくの星を見て。ちょうど真上にある」

「美しい星だ。ここへ何しに来たんだい?」

「ぼく、ある花とうまくいかなくなったんだ」

「ああ!」

「人間はどこにいるの? 砂漠(さばく)って、(さみ)しいね」

「人間のいるところでも、(さみ)しいものさ」

()わった動物なんだね、指みたいに細くて……」

「だけど、王様の指よりも力があるんだ」

「そんなことないでしょ。足もないし、旅だってできやしない」

「大きな船よりも、もっと遠くまでお前を()れて行けるさ。(おれ)(さま)がさわったものは、元いたところに(かえ)してやるのさ(おれ)(さま)がね。だけどお前はけがれていなくて、ほかの星から来たのだろう。あわれだなぁ、こんなにか弱くて、この冷たい岩の地球に来て。もし、いつか自分の星が(こい)しくなったら、助けてやるよ。(おれ)(さま)が……」

「うん、わかったよ。でもどうして(なぞ)みたいなことばかり言うの?」

(おれ)(さま)には、(なぞ)がすべて()けるから」

 

 

九  キツネ

王子さまは、長い間、砂漠(さばく)と、岩と、雪の中を歩き(つづ)けて、やっと一本の道を見つけた。道はすべて、人間のところへつながっている。そこには何千ものバラの()いている庭があった。バラは王子さまを(むか)えて言った

「こんにちは」

王子さまは、(おどろ)いて言った。

「あなたたちは、(だれ)?」

「バラよ、わたしたち」

「ええ! ……ぼくは、この世に一(りん)だけの(たから)物のような花を持っていると思っていたのに、実は、ありきたりのバラだったなんて……ひとつの庭に同じようなのが五千もあるなんて……ぼくはたいした王子じゃないんだ」

そして、草の上に()そべって()き出した。

「こんにちは」

「こんにちは。(だれ)なの? かわいいね」

「オイラは、キツネ」

「ぼくと一(しょ)に遊ぼうよ。とっても悲しいんだ」

「あんたとは一(しょ)に遊べないよ。だってオイラはまだなついてないんだ」

「あっ、ごめん、『ナツイテナイ』って、どういうこと?」

「このあたりの者じゃないね……何を(さが)しているんだい?」

「人間を(さが)しているんだ。『ナツイテナイ』ってどういうこと?」

「人間かぁ、人間は鉄砲(てっぽう)を持って()りをする。まったく(こま)ったものだ。ただ、あいつらはニワトリも()っている。いいのはそれだけだ。あんたもニワトリを(さが)しているのかい?」

「ううん、友達(ともだち)(さが)しているんだ。ねえ、ナツイテナイ……『ナツク』ってどういう意味?」

「ずいぶん(わす)れられていることだ。『(きずな)をむすぶ』ということさ」

「『キズナ』をむすぶ?」

「そうとも。あんたはオイラにとっては、世の中に何千といる、ただの男の子だ。だから、オイラはあんたがいなくたってかまわない。あんたもオイラがいなくても別になんともない。オイラはそこらにわんさといる一匹のキツネにすぎないんだからね。だけど、あんたがオイラと(きずな)をむすんで仲良(なかよ)しになってくれたら、お(たが)いになくてはならない(なか)になるんだ。あんたは、オイラにとってこの世でかけがえのない存在(そんざい)になる。オイラもあんたにとって世界で唯一(ゆいいつ)のキツネになるんだ」

「なんだか、わかってきたよ。一(りん)の花があってね、ぼくは、その花と(きずな)をむすんじゃったんだ」

「ありえる、ありえる。地球ではなんだって、ありだから」

「ううん、地球でじゃないの」

「ほかの星でのことかい?」

「うん」

狩人(かりうど)はいるのかい? その星には」

「いない」

「そりゃいいね。で、ニワトリは?」

「いないよ」

「うまくいかないもんだな。オイラの()らしは単調(たんちょう)そのものだ。オイラがニワトリを追いかけ、そのオイラを人間が追いかける。ニワトリはどれもみんな同じようだし、人間もみんな同じように見える。だから、ちょっと退屈(たいくつ)しているんだ。でも、もしあんたが、(きずな)をむすんで仲良(なかよ)しになってくれたら、オイラの()らしは、お日様が当たったように明るくなるだろう。あんたの足音の(ちが)いがわかるようになるんだ。いつもは、足音がしたら、急いで()(あな)(かく)れる。だけど、あんたの足音が聞こえたら、まるで音楽に(さそ)われるように()(あな)から出てくるんだ。それに、ほら、向こうに小麦畑が見えるだろ。オイラはパンを食べないから、小麦には興味(きょうみ)がない。小麦畑を見ても何とも感じない。それは(さみ)しいことだ。でも、オイラとあんたが(きずな)をむすんで仲良(なかよ)くなったら、あんたの(かみ)の毛は金色だから、小麦が金色に実るたびに、あんたの金色の(かみ)を思い出す。そして小麦畑に()く風までも()きになる。お(ねが)いだ。オイラと(きずな)をむすんでくれ」

「そうしたいけど、あまり時間がないんだ。友達(ともだち)を見つけなきゃ。それに、いろんなことを知りたいんだ」

(きずな)をむすんだものしか、ほんとうに知ることはできないよ。人間はもう(いそが)しくしていて、なにも知ることができないんだ。なにもかも、出来合いのものを店で買う。だけど、友達(ともだち)を売っている店なんてないから、人間はもう友達(ともだち)もいないんだ。ほんとうに友達(ともだち)がほしいなら、オイラと(きずな)をむすぶことだよ」

「どうすればいいの?」

辛抱(しんぼう)強く待つことだね。はじめは、オイラから少し(はな)れて、こんな風に草の中に(すわ)るんだ。オイラはあんたを横目で見る。なにも話しちゃだめだよ。言葉は誤解(ごかい)(まね)くんだ。そして、毎日少しずつ近くに(すわ)れるようになっていく」

 

そして、次の日、王子さまはやってきた。

「毎日、同じ時間に来てくれたら、もっといいなぁ! もし、あんたが午後四時にやってくるとすれば、オイラは三時(ごろ)からわくわくする。そしてあんたが来る時間が近づけば近づくほどうれしくなるんだ。四時になると、もうそわそわしたり、心配してドキドキしたりで、幸せがどんなものか知るようになる。でも、いつ来るのかわからなかったら、心の準備(じゅんび)ができやしないよ」

こうして、王子さまはキツネと友情(ゆうじょう)という(きずな)でむすばれていった。

 

そして、(わか)れの時が近づいてきた。

「ああ、オイラ()いちゃうよ」

「それは、自分が悪いんだよ。ぼくは、悲しませるつもりなんかなかったもの。ぼくに(きずな)をむすんでって(たの)んだのはそっちだよ」

「もちろんそうだ」

「でも、()いちゃうんだろ?」

「そうさ」

「じゃ、なんにもいいことはないじゃない」

「あるさ、金色の小麦畑があるからね。もう一度バラの花を見に行ってごらんよ。あんたのが世界でたったひとつのものだとわかるから。それから、さよならを言いに(もど)っておいで、秘密(ひみつ)を教えてやるから」

王子さまはバラを見に行った。そして、何千と()いているバラは、自分のとはまるっきり(ちが)うことに気づいた。自分が水をやって、ガラスのカバーをかけて、不平(ふへい)自慢話(じまんばなし)も聞いて世話をしたバラだから、自分のバラはこの世でかけがえのない、たったひとつしかないものになったのだとわかった。

 

そして、キツネのところへ(もど)った。

「お(わか)れだね」

「お(わか)れだ。これがオイラの秘密(ひみつ)だ。とても簡単(かんたん)だ。心で見ないと肝心(かんじん)なものは見えないってこと。肝心(かんじん)なこと、奥にあるものは目では見えないんだよ」

肝心(かんじん)なことは目では見えない……」

「あんたのバラがそんなに大切になったのは、あんたがそのバラのために時間と手間をかけたからだよ」

「ぼくのバラが大切になったのは、時間と手間をかけたから……」

「時間をかけて仲良(なかよ)くなった相手には、いつまでも責任(せきにん)があるんだ。あんたにはあんたのバラを守る責任(せきにん)があるんだ」

「ぼくには、ぼくのバラを守る責任(せきにん)がある……」

 

 

十  井戸(いど)

しばらくして(ぼく)は王子さまに言った。

「あぁ、どれもみんな()い思い出話だねぇ。だけど、まだ飛行機(ひこうき)がなおっていないし、もう飲む水もない」

友達(ともだち)になったキツネはね……」

「あのね、もうキツネどころじゃないんだよ」

「どうして?」

「のどが(かわ)いて死にそうなんだよ!」

「死ぬかもしれなくても、友達(ともだち)ができたのはすてきなことだよ。ぼく、キツネと友達(ともだち)になれて、とってもよかったよ」

なにもわかっていないのだな、と(ぼく)は思った。(きっと、(はら)も減らなければ、のども(かわ)かないのだ。少しの日の光があればいいのだろう)

王子さまは(ぼく)をじっと見つめてから言った。

「のどが(かわ)いているの? 井戸(いど)(さが)そうよ。ぼくものどが(かわ)いたよ」

()てしない砂漠(さばく)の真ん中で、あてもなく井戸(いど)(さが)すなんてバカげているよ。やれやれ)

それでも、(ぼく)たちは歩き出した。

 

何時間もなにも言わずに歩くうちに、夜になり、星が光りだした。(ぼく)たちは(すわ)()んだ。

「あのね、星がきれいなのは、そこには、ここからは目に見えない花が一(りん)あるから」

「そうだね」

砂漠(さばく)が美しいのはどこかにひとつ()戸を(かく)しているから」

「そうだね」

 

それから、王子さまは(ねむ)ってしまったので、(ぼく)はそっと()き上げて、また歩き出した。(ぼく)(むね)がいっぱいだった。(こわ)れやすい宝物(たからもの)()いている気がした。地球上に、これほど(こわ)れやすい宝物(たからもの)はない気がした。月の光で、その青白い(ひたい)を、()じた目を、(かみ)の毛が風にゆれるのを見つめた。今こうして見えているのは表面だけなのだ。(もっと)も大切なものは、目には見えないのだと思った。

 

こうして歩き(つづ)けて、夜明けに()戸を見つけたのだ。(ぼく)(ゆめ)を見ているのではないのかと思った。それは、人が住んでいる村にあるような()戸だった。しかし、あたりには村などなにもない。

「どういうことだろう? みんなそろっている。滑車(かっしゃ)も、つるべも、(つな)も……」

王子さまが(つな)をつかんで滑車(かっしゃ)を動かすと、きしんだ音がした。

「ほら、()戸が目をさまして、歌をうたっているよ」

つるべは王子さまには重すぎたので、(ぼく)が代わって水をくんだ。

「その水がほしいんだ。少し飲ませて」

その時、(ぼく)は王子さまの(さが)していたものが何なのかわかった。その水はただの飲み水ではなかった。(ぼく)たちが星空の下を歩いて、滑車(かっしゃ)が歌をうたって、(ぼく)(うで)の力を使ったことで手に入れた水だった。(おく)り物のように心にしみこんだ。

「地球の人たちは、ひとつの庭に五千ものバラをもっていても、自分の(さが)しているものを見つけることができない。それは、たった一(りん)のバラや、ほんの少しの水の中に見つかるかもしれないのに……」

「そうだね」

「目では何も見えない。心で(さが)さなくちゃ」

 

「ねぇ、約束(やくそく)は守ってね」

「なんの約束(やくそく)?」

「ほら、口()だよ、ぼくの羊の。ぼくにはあの花を守る責任(せきにん)があるんだ。」

()いてあげるよ。でも、どうして……」

「あのね、ぼくが地球に落ちたの……明日がちょうど一年目なの……このすぐ近くに落ちて来たんだ」

「それじゃ、偶然(ぐうぜん)じゃないんだね。一週間前、(はじ)めて会った朝、ひとりで人里(ひとざと)から何百キロ(はな)れたところで、あんな風に歩いていたのは。落ちた場所に(もど)ろうとしていたんだね。一年目の明日のためだったんだね。もしかして……」

「さあ、もう、飛行機(ひこうき)のところへ(もど)って、エンジンをなおさなきゃいけないよ。ぼくはここで待っている。明日、夕方に(もど)って来てね」

 

 

十一 (おく)り物

翌日(よくじつ)の夕方、修理(しゅうり)から(もど)ると、()戸のそばの(くず)れかけた古い石(かべ)の上に王子さまが(すわ)っているのが遠くから見えた。

(だれ)に話しているのだろう?)

「じゃあ、おぼえていないの? そう、そう、今日なんだけど、場所はここじゃないよ。(すな)の上のぼくの足(あと)がどこから始まっているか見ればわかるから。そこで、ぼくを待っていればいいんだよ。今夜行くから。君の(どく)は、()き目があるんだよね。ぼくを長く苦しませたりしないよね。じゃあ、もうあっちへ行って。ぼく、下に()りるから。(はな)れて」

(ぼく)は石(かべ)の下に目をやって、飛び上がった。三十秒で命を(うば)うというあの黄色い(どく)ヘビの一匹が王子さまに向かって首をもたげていた。(ぼく)はピストルを取り出そうとポケットを(さが)りながら走っていった。ヘビは(ぼく)のたてる音で(すな)の中へ消えた。王子さまは雪のように青白かった。(むね)は、猟銃(りょうじゅう)でうたれて死にそうな鳥のように、こきざみにふるえていた。

「どういうことなんだい? ヘビと話しなんかして……」

「さがしていたエンジンの故障(こしょう)が見つかってよかったね。家に帰れるね」

(どうしてわかったのだろう?)

「ぼくも今(ばん)、帰るよ。でも、もっと遠くて、もっと(むずか)しいんだ」

「ねぇ、悪い(ゆめ)だよね。ヘビや、一年目の星との待ち合わせとか?」

それには、答えずに言った。

「大切なことは目には見えない」

「そうだね」

「花も同じだよ。ある星に()いている一(りん)の花を(あい)していたら、星空を(なが)めると心が温かくなる。星という星全部に花が()いているようなんだ」

「そうだね」

「夜には、星を見てね。ぼくの星は小さすぎてどこにあるのか、教えられない。でも、その方がいいんだ。ぼくの星は、いっぱいある星のうちのひとつだからね。どの星でも、見るのが()きになるよ。どの星もみんな友達(ともだち)になるんだ。今から、(おく)り物をあげるよ」

そして、王子さまは声をたてて(わら)った。

「ああ、ぼうや、その(わら)い声を聞くのが大()きだ!」

「これこそ、ぼくの(おく)り物だよ」

「どういうことだい?」

「他には(だれ)も持っていない星をあげるんだ」

「どういうことだい?」

「夜、空を(なが)めた時、ぼくがたくさんある星の中のひとつにいて、そしてそこで(わら)っているから、すべての星が(わら)っているように思えるでしょ。(わら)うことのできる星がぼくの(おく)り物」

王子さまは、また楽しそうに(わら)ってから、(つづ)けて言った。

「悲しみが消えたら、ぼくと知り合ってよかったと思うよ。これからも、ずうっと友達(ともだち)だ。ぼくと一(しょ)(わら)いたくなる。だから、時々、気晴らしに(まど)を開けて、星空を見ながら(わら)っていると、(まわ)りにいる友達(ともだち)はみんなびっくりするよ。そして、その人たちに、『そう、星はね、(ぼく)をいつも(わら)わせてくれるんだ』と言うと、友達(ともだち)に頭がおかしくなったと思われるね。ちょっと迷惑(めいわく)(おく)り物みたいだよね。たくさんの星のかわりに、(わら)うことのできる小さな(すず)を山ほどあげたようなもの」

そして、また声をたてて(わら)った。

「あのね、こんやはね、来ないで」

「ひとりにはしないよ」

「苦しそうに見えるかもしれない……ちょっと死にそうに見える……そんなの見に来ることないよ」

「ひとりにはしないよ」

「それに、ヘビのこともあるし……ヘビに()まれたらいけないから……ヘビは(あぶ)ないよ、わけもなく()むかもしれない……」

「ひとりにはしないよ」

「まぁ、二度目に()む時には、もう(どく)はないと言うけどね……」

 

 

十二 旅立ち

その夜、王子さまが歩き出したのに気がつかなかった。音もたてずにいなくなった。ようやく(ぼく)が追いついた時、王子さまは心を決めたように早足で歩いていた。

「来ちゃったの? ダメだよ! つらい思いをするよ。ぼくは死んだように見えるかもしれないから……でも、ほんとうはそうじゃないんだ」

(ぼく)は何も言わなかった……

「わかるよね。遠すぎるんだ。この体を持って行けないんだ。重すぎるもの」

(ぼく)は何も言わなかった……

「でも、それは()()てたぬけがらのようなもの。ぬけがらは、悲しくないでしょう」

(ぼく)は何も言わなかった……

「ぼくも、星空を(なが)めるよ。すると、星という星がみんな()戸になってぼくに水を飲ませてくれるんだ。とっても楽しいよね。おにいさんには五(おく)もの(すず)ができて、ぼくには五(おく)ものきれいな水の出る(いずみ)ができるんだ」

王子さまは口をつぐんだ。()いていたのだ。

「あそこだよ。ぼくひとりで行かせてね」

王子さまは(すわ)り込んだ。(こわ)かったからだ。

「あのね、ぼくの花、ぼくには責任(せきにん)があるんだ。ほんとうに、か弱くて、なんにもわかってなくて、役に立ちそうもない四つのトゲしか身を守るものがなくて……」

(ぼく)(すわ)り込んだ。立っていられなくなったからだ。

「ただ、それだけ……」

 

王子さまは立ち上がって歩き出した。

(ぼく)は動くことができなかった。

王子さまのくるぶしのあたりで、黄色いものが光っただけだった。

一瞬(いっしゅん)動きが止まった。

声もあげなかった。

木が(たお)れるようにゆっくりと(たお)れた。

音もしなかった!

(すな)のせいで。

 

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あれから六年が()ぎた。

 

もし、いつかあなた方がアフリカの砂漠(さばく)を旅することがあって、(ぼく)不時着(ふじちゃく)をした場所を通りかかることがあったら、お(ねが)いだから、急がずに、立ち止まって、星の下で、ちょっと待ってほしい。

もし、ひとりの男の子が来て、(かみ)の毛が金色で、 (わら)っていて、何か(たず)ねても答えなかったら、それが、(だれ)だかわかるはずだ。その時は、どうか、悲しみにくれる(ぼく)を放っておかずに、すぐ連絡(れんらく)してください。

あの子が(もど)って来たと……


 

あとがき

趣味と認知症予防で始めた朗読をするうち、気に入った作品を自分の朗読用に翻訳、編集するようになりました。何よりも5人の孫に読んで聴かせたいとの気持ちが強かったのです。そんな最中、思いもよらずご縁により、自身訳の「星の王子さま」が公開されることになり驚くばかりです。2018年からご指導頂いている朗読講師の辻曙美先生、朗読文庫の会 荒尾勝氏、同会の村井千種先生のご指導、ご助力の下、実現しましたこと、厚くお礼を申し上げます。

今回の朗読用翻訳は、1946年フランスでGallimard社から出版されたAntoine de Saint-Exupéryの「Le Petit Prince」を底本にしています。ずいぶん昔のことになりますが、1970年代にGallimard社の「Le Petit Prince」に出会い、何度も読んだ後、往年の名優Gerard Philippeと他5人による朗読レコードを手に入れ、暗唱するほどに何度も聴いて、王子さまのイメージが私の中で出来上がっていました。今回の朗読用の翻訳にあたって、登場人物のイメージ作りと、朗読用に省略して短くするのに、Gerard Philippeの朗読版を参考にさせていただ きました。また、題名の「星の王子さま」は日本で最初に翻訳版を出された内藤濯氏に敬意を表して、そのまま使わせていただきました。因みに、王子さまが悲しいときに眺めた夕日の数は、1943年にNew YorkReynal&Hitchcockから出版されたものとは異なり、Gallimard版では43回です。仏語で朗読されたものも、私の知る限り、一例を除き、すべて43回です。翻訳にあたり、サンテグジュペリ原作の言葉と表現に、できる限り忠実にすることを心がけました。また、簡潔な仏語のリズム感も大事にするようにしたつもりです。この作品は子供向けに書かれたものではないものの、王子さまの年齢設定は、10歳以下の男の子と考えます。王子さまの台詞には難しい言葉を避け、また、「あなた、きみ、おまえ」などの呼称も使わないように工夫しました。

 

最後に。

原典Antoine de Saint-Exupéryの「Le Petit Prince」に見出しはありませんが、自身の朗読編集版にはつけました。全文を通して朗読なさるとき、見出しを読むかどうかは、ご自由になさってください。たくさんの方が朗読を通じ、それぞれご自身の王子さまが現れることを心より願っております。

2020年 4月 5日  鈴木しずか

 

訳者略歴

大学生時代から英日の通訳に従事。1970年、国際職員の夫の赴任に伴い、欧州に居を移す。子育てを通じて、様々な活動を経験し、傍ら英語・仏語を用いての通訳やヴォランティア活動に関わる。2000年に帰国。

 

 「星の王子様」  鈴木 しずか 訳(朗読編集版)

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上記ライセンスに従って、訳者に断りなく、共有できます。どのようなメディアやフォーマットでも資料を複製したり、再配布できます

このファイルは、著作権者 鈴木しずかの意志により(株)ボイジャーのロマンサーで作成・配信され、同時に「朗読文庫の会」(https://roudoku-bunko.jp/shizuka)に収録され公開されています。

2020420日 作成

html編集 朗読ボランティアサークル「朗読文庫の会」(https://roudoku-bunko.jp/